高校生アスリートに必要なトレーニングとは?変化する競技特性と競技に求められるフィジカル要素

 

「筋トレを始めたいけど何からやればいいですか?」

スポーツをしている高校生から、このような質問をいただくことがあります。

一昔前までは、

「高校生なら自重トレーニングで十分」

「成長期だから、筋トレはあまりやらないほうがいい」

「筋トレをすると身体が硬くなる」

「身体ができあがってからウェイトトレーニングを始めればいい」

といった考え方も珍しくありませんでした。

高校生アスリートの身体は以前とは変わってきています。

競技によって違いはありますが、身長や体重、筋肉量など、身体的に大きな選手が増え、以前よりも「大きく、強く、速い」選手が高校生の年代から当たり前のように競技を行うようになっています。

そして、選手の身体が変われば、当然ながらプレーのスタイルも変わります。

例えば、フィジカルコンタクトのある競技では、身体の大きさや筋力を生かしたプレーが増えています。

サッカーでは、単純に走るだけではなく、相手とのコンタクトに耐えながらボールを保持する能力、強く速く加速する能力、急停止して方向を変える能力などが求められます。

バスケットボールでは、大きな身体を使ったコンタクト、ジャンプ、着地、切り返しなど、高い筋力とパワーを必要とするプレーが増えています。

野球でも、投げる・打つ・走るという基本動作だけではなく、より大きな出力を短時間で発揮する能力が重要になっています。

陸上競技でも、種目によって必要な能力は異なりますが、スプリント能力や跳躍能力などを高めるために、筋力とパワーを計画的に伸ばしていくことが重要です。

つまり、身体が大きくなり、強くなった選手たちが競技をすることで、プレーそのものも変化しているのです。

昔の高校生と現在の高校生では、単純に「同じ競技をしている」と考えるだけでは見えてこない部分があります。

だからこそ、トレーニングについても、昔の常識だけで考えるのではなく、現在の競技環境に合わせて考えていく必要があります。

「高校生だから自重から」だけでは十分とは限らない

高校生になっても、

「まずは腕立て伏せとスクワットから」

という考え方だけにとどまってしまうと、競技によっては十分な刺激を与えられない場合があります。

もちろん、自重トレーニングは重要です。

正しい身体の使い方を覚えること、基本的な動作を身につけること、トレーニング初心者が運動に慣れることなど、自重トレーニングには大きな意味があります。

しかし、トレーニングで重要なのは「自重かウェイトか」という種類ではありません。

重要なのは、その選手にとって適切な負荷が設定されているかということです。

例えばスクワットでも、体重だけでは十分な負荷にならなくなった選手に対して、いつまでも自重スクワットだけを続けても、筋力をさらに高めるための刺激としては不足する可能性があります。

逆に、いきなり重いバーベルを持たせればいいわけでもありません。

必要なのは、

「今の身体能力に対して、どの程度の負荷なら適切か」

「どの動作を身につける必要があるか」

「どの筋力を高める必要があるか」

「競技動作にどうつなげるか」

を考えて、段階的に負荷を上げていくことです。

大きくなった身体を「使える身体」にする

ここで忘れてはいけないのが、身体が大きくなっただけでは競技力は高くならないということです。

体重が増え、筋肉量が増えても、その身体をうまく動かせなければ、競技では十分に生かすことができません。

大切なのは、大きくすることではなく、大きくなった身体を動かせることです。

そのためには筋力だけではなく、競技の技術練習を繰り返し行い、また身体操作能力などを総合的に高めていく必要があります。

例えば100kgのスクワットができるようになったとしても、それだけで足が速くなるわけではありません。

筋力を土台として、そこから速く力を発揮する能力、身体を効率よく動かす能力、競技動作の中でその力を使う能力へとつなげていく必要があります。

土台となる体を鍛え、競技の練習を通じて実際のパフォーマンスを高めていく。

これが、単なる「筋トレ」とアスリートのためのストレングス&コンディショニングの違いの一つです。

ただし、高校生は「大人の小さい版」ではありません

一方で、高校生の身体はまだ発育・発達の途中です。

ここを無視してはいけません。

高校生だからといって、成人選手と同じトレーニングをそのまま行えばいいわけではありません。

身長が大きく伸びる時期もあれば、身体の各部位が発達する時期にも個人差があります。

成長期には、骨・筋肉・腱などの発達や、競技練習による負荷を考慮する必要があります。

特に急激な成長期には、身体の変化によって、それまで問題なくできていた動作に違和感が出るクラムジーという事が起きることもあります。

成長痛と呼ばれる症状や、膝、踵、腰、肩、肘などの痛みがある場合には、単純に「もっと鍛えればいい」と考えるべきではありません。

現在の身体の状態を確認し、必要であれば休養やトレーニング内容を変更することも必要です。

つまり、高校生のトレーニングでは、

「どれだけ鍛えるか」だけではなく、「今の身体に何が必要なのか」を考えることが重要なのです。

「重いものを持つ=筋力トレーニング」ではありません

筋力トレーニングというと、重いバーベルを持ち上げる姿を想像する方も多いと思います。

しかし、本当に重要なのは重量そのものではありません。

スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、ローイング、プルアップ、ランジなど、さまざまな種目があります。

さらに、ジャンプ、スプリント、メディシンボールなどを利用したパワートレーニングなどもあります。

その中から、

その選手の競技特性、身体能力、トレーニング経験、発育状態、現在の課題

を考えて選択します。

そして、正しいフォームを習得したうえで、必要に応じて少しずつ負荷を高めていきます。

「何kg持てるか」だけを見るのではなく、

「正しい動作で扱えるか」

「身体をコントロールできているか」

「疲労した状態でフォームが崩れていないか」

「競技に必要な能力につながっているか」

まで考える必要があります。

高校時代は「将来の身体」をつくる時期でもある

高校生のトレーニングで私が大切だと考えているのは、高校3年間だけを見ないことです。

もちろん、高校生の間に競技で結果を出すことは重要です。

しかし、大学、社会人、さらにその先まで競技を続けるのであれば、高校時代に無理をして身体を壊してしまうことは避けなければなりません。

高校時代は、将来に向けたトレーニングの基礎をつくる時期でもあります。

正しいフォームを身につける。

基本的な筋力を高める。

身体を思い通りに動かす能力を高める。

必要なスピードやパワーを身につける。

そして、トレーニングによって身体がどのように変化するのかを自分自身で理解する。

こうした経験は、その後の競技人生にも大きな財産になります。

佐々木接骨院では、CSCSを持つ院長が直接指導します

当院では、高校生のトレーニングを単純な「筋トレ」として考えていません。

私自身、これまで約30年間トレーニングを継続してきました。

また、NSCAのCSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist)資格を取得し、ストレングス&コンディショニングについて学んできました。

さらに、これまでスポーツ現場でアスリートの身体を見てきた経験があります。

だからこそ、

「流行っているから、このトレーニング」

「この種目をやれば足が速くなる」

「この筋肉を鍛えれば競技力が上がる」

といった単純な指導は行いません。

新しい研究やトレーニング方法も必要に応じて取り入れます。

しかし、流行しているかどうかではなく、なぜこのトレーニングをするのか、何を改善するためなのか、今のこの選手に何が必要なのか。

というところを大切にしています。

机上の理論だけでもなく、流行しているトレーニングを追いかけるだけでもない。

これまで積み重ねられてきたトレーニングの基本原則を土台にしながら、現在の知見を取り入れ、一人ひとりに合わせて指導する。

それが当院の高校生アスリートに対するトレーニングです。

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