成長期にウエイトトレーニングを始めるタイミングとそのメリット

成長期にウエイトトレーニングを行うと身長が伸びなくなる。

 

日本ではこのような事が当然のように信じられていますが、全くそのような事はありません。

 

ウエイトトレーニングを行うと身長が伸びない、と言う意見にはエビデンスも無く、何となくそんな感じなのではないか、と言うようなニュアンスがいつの間にか広まってしまったように思います。

 

昨年のボディビルの日本選手権男子。

 

トップ6の選手の平均身長は167センチです。

 

ボディビルダーのこういった身長も、ウエイトトレーニングを行うと身長が伸びない、と流布された一つの要因かもしれません。

 

確かに、成長期に過度なウエイトトレーニングを行うと骨の成長障害を起こす可能性はあります。

 

これは当院に来院してくれた小学生の脚の骨のエコー画像です。

 

骨が折れているように見えますが、これは骨端線と言って骨がまだ伸びる余地を残している証の隙間で、成人では閉じて骨端線はなくなっています。

 

この小学生の骨端線は少し通常より開いてしまっているのですが、過度なウエイトトレーニングでこの骨端線に障害を起こしてしまうと、成長障害に繋がる可能性はあります。

 

しかし、ウエイトトレーニングの成長障害を声高に謡う人は、ランニング障害をどう説明するのでしょう?

 

当院にもスポーツで沢山走ってジャンプする事で、オスグッド病や有痛性外径骨で来院される思春期の子供が多くいます。

 

こんな感じで繋がっている骨が割れてしまっている子供もいます。

 

だからと言って、成長期はランニングをしてはいけない!とは言いませんよね。

 

ランニングも量や強度を考慮して、無理のない範囲で行われているのがスポーツ現場での現状です。

 

ウエイトトレーニングも同じで、正しい形で強度や量を考慮して行えば安全ですし、ましてや身長が伸びなくなる、なんてことは決してありません。

 

現在成人されていて、自分は小さい頃からウエイトトレーニングをやったから身長が伸びなかった、と思われている方もいると思います。

 

少し考えてみてください。

 

両親の伸長は?(遺伝要因)

 

思春期症状出現はいつ?(早熟傾向は低身長の傾向が強い)

 

睡眠は充分だったか? (成長ホルモンの分泌)

 

このような事も身長の伸びに関わっています。

 

あなたのその身長は、ウエイトトレーニングの影響ではなく、このような要因によるものと考えられるのではないでしょうか?

 

このページの内容

ウエイトトレーニングを始めるタイミング

 

この骨端線が閉鎖していない時期では、自重でのウエイトトレーニングをお勧めします。

 

腕立て伏せや自重でのスクワット、ランジ、逆立ち、ブリッジ、などです。

 

ランニングやジャンプ動作より、これらのトレーニングの方がよっぽど安全です。

 

しかし、成長期にウエイトトレーニングを行う事を肯定しても、本格的なバーベルやダンベルを用いたトレーニングを行うのは、慎重なタイミングの見極めが必要です。

 

本格的なバーベルやダンベルを用いたトレーニングを行うのは、おおよそ骨端線が閉じた時期になります。

 

骨端線が閉じたと言っても、それが成長が止まった、成人になったとは一概には言えません。

 

骨端線が閉じたとしても、ミクロではまだ閉じておらず、成長の余地を残している可能性はあるからです。

 

ある程度閉じると安定してくるので、本格的なウエイトトレーニングを始められます。

 

この骨端線はレントゲンで確認できますが、エコー画像でも上記のように確認出来ます。

 

当院のジュニアトレーニングでも、骨端線の状態をエコーで確認しその状況を鑑みてトレーニングの内容を変えていきます。

 

成長期にウエイトトレーニングを行うメリット

 

これは成長期に限った事ではありませんが、グラウンドやフィールドで行う練習でも基礎体力は向上しますが、ウエイトトレーニングを行うほうがはるかに効率よく体力の向上ができます。

 

体力の向上はすべてのスポーツにオールマイティに通じる、パフォーマンスアップに欠かせない要素になります。

 

体力の向上は自身の体が変わる事なので、プレーそのものが変わり、新たな余裕、余地も生まれてまた高いレベルを目指すことが出来ます。

 

例えばサッカーの場合、同じスピードで走っていても100%の力で走っているより、体力が向上して70%の力で走れているほうが余裕が生まれ、周りも良く見えるようになり、相手をかわしやすくなったり、正確なシュート、パスが出来るようになります。

 

 

野球でも同じスイングスピードでも100%と70%では、変化球への対応、選球眼などに影響が出て来ます。

 

 

このようにウエイトトレーニングによる基礎体力の向上は、練習で身に付けたスキルや判断を更に高いレベルに押し上げてくれるのです。

 

もう一つ、成長期にウエイトトレーニングを行うメリットは、骨を丈夫にさせる事です。

 

骨は負荷を掛けないでいると脆くなってしまいます。

 

高齢者に歩くことを推奨されている所以です。

 

これは骨は圧力が加わる事で丈夫になり、骨密度も上がるからです。

 

これはピエゾ効果と言って、骨に圧を加える事によって圧電力が高まり、カルシウムイオンの吸収が促進される事によるものです。

かなり古い論文ですが昔からこのように言われています。→ 整形外科 領域 における ピエゾ効果 について

 

まとめ

 

成長期にウエイトトレーニングを行うことは、タイミングややり方を間違えなければメリットしかありません。

 

当院でも成長期のパーソナルトレーニングで、みんな良い結果を残しています。

 

ウエイトトレーニングは早く行えば行うほど、早く、高い効果が期待できます。

 

当院のパーソナルトレーニングにご興味のある成長期のお子様、その親御さんはこちらをご覧ください。

 

 

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