成長期のジュニアアスリートに起きる“体の異変”とは—ケガを防ぎながら能力を伸ばすために知っておくべきこと—

 

スポーツを頑張る子どもたちにとって、成長期は技術が大きく伸びる時期であると同時に、身体への負担やトラブルも非常に増える時期です。

特に小学校高学年から中学生にかけては、骨の成長スピードが急激に高まり、筋肉・腱・神経系がそれに追いつかなくなることで、痛みやぎこちなさ、パフォーマンスの低下が起こりやすくなります。

この記事では、ジュニアアスリートが注意すべき代表的な体の異変と、その背景にあるメカニズム、そしてケガを防ぎながらパフォーマンスを伸ばすためのポイントを解説します。

 


1. 成長スパートによる身体のアンバランス

身長が急激に伸びる「成長スパート」は、子どもによって時期が異なりますが、多くは10〜14歳頃に強く現れます。



この時期は骨の成長スピードが非常に速く、筋肉や腱が伸びるスピードが追いつきません。

その結果、以下のような症状が起きやすくなります。

●代表的な成長期障害とその病態

1. オスグッド(脛骨粗面部の骨端症)

■病態

オスグッド・シュラッター病は、脛骨粗面に付着する膝蓋腱が、ジャンプ・ダッシュ・キックなどの反復によって牽引力を受け、成長期の軟弱な骨端核が炎症を起こす疾患 です。

脛骨粗面は成長期にまだ軟らかく、強い牽引に耐えられないため、骨端核が炎症を起こし、腫れや痛みが発生します。

■原因・メカニズム

  • 大腿四頭筋の硬さ・張力

  • 成長による大腿骨の急激な伸び

  • 跳躍系の反復

  • 膝の前側に繰り返し加わる牽引ストレス

■好発年齢

  • 男子:10〜15歳

  • 女子:9〜13歳

■主な症状

  • 膝下(脛骨粗面)の突出・圧痛

  • 跳躍・ダッシュ・キックで痛い

  • 正座ができない

  • 走行後の痛みが増す

■注意点

  • 痛みを我慢して続けると骨片の分離を起こすことがある

  • 完治までに数ヶ月〜1年以上の長期化もある

  • 大腿四頭筋の柔軟性改善は必須


2. セーバー病(踵骨骨端症)

■病態

セーバー病(Sever病)は、成長期の踵骨の後方にある骨端核(踵骨骨端)が、
アキレス腱の牽引力を繰り返し受けることで炎症する疾患 です。

成長期の骨端部は軟らかく、走る・ジャンプする動作が多いスポーツで特に負担がかかります。

■原因・メカニズム

  • 下腿三頭筋(ふくらはぎ)の硬さ

  • 成長スパートによるアキレス腱の張力増大

  • 繰り返しの地面接触による衝撃

  • アーチの崩れ、偏平足

■好発年齢

  • 8〜13歳の男女

■主な症状

  • かかとの後方が痛む

  • 踵着地で痛みが強い

  • つま先歩きで痛みが軽減する

  • 押すと強い圧痛がある

■注意点

  • 初期はジャンプ・ダッシュで悪化しやすい

  • 靴の硬さやかかとカップが合わない場合も増悪

  • 成長が落ち着くと自然治癒傾向が高い


3. 第一ケーラー病(Köhler病:舟状骨の骨端症)

■病態

第一ケーラー病は、足の甲の内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)が、
血流障害を起こして一時的に扁平化・硬化する疾患 です。

血流低下による一過性の無腐性壊死(血行障害による骨の弱化)が起き、圧痛や歩行痛が出ます。

■原因・メカニズム

  • 成長期の舟状骨部の血流が安定しない

  • 足部アーチの負荷増大

  • 過度なランニングやジャンプ

  • 足の構造的な未熟性

■好発年齢

  • 3〜7歳(男児に多い)

■主な症状

  • 足の甲(内側)の痛み

  • 歩行時の跛行(びっこを引く)

  • 舟状骨の腫れ・圧痛

  • 足を外側に逃すように歩く

■注意点

  • 小児期特有で、成長とともに自然治癒することが多い

  • しかし炎症期に負荷をかけると治癒が遅れる

  • 早期に適切な負荷管理が重要


4. 第二ケーラー病(Freiberg病:第2中足骨頭の骨端症)

■病態

第二ケーラー病(フライバーグ病)は、第2中足骨頭の骨端部に起きる無腐性壊死です。
特に女子に多く、思春期のスポーツ活動によって骨端部に強い負担がかかり、骨の圧潰や硬化が起こります。

■原因・メカニズム

  • 足先(つま先)の繰り返しの衝撃

  • スパイクや硬いシューズによる圧迫

  • 中足骨頭の過荷重

  • 成長期の骨端の脆弱性

■好発年齢

  • 10〜15歳(女子に多い)

■主な症状

  • 第2趾付け根の痛み(歩行・踏み込みで悪化)

  • 局所の腫れ・圧痛

  • 足の指が反らしにくい

  • 荷重時に鋭い痛みが出る

■注意点

  • 進行すると骨端の扁平化が残存することがある

  • 足のアーチ・シューズ選びがとても重要

  • 早期発見で経過は良好


5. 腰椎分離症(スポーツに多い疲労骨折)

■病態

腰椎分離症は、主に腰椎の後方部分(椎弓の峡部)に起きる疲労骨折です。
特に成長期の子どもは、骨が完全に硬化していないため、反復する反り返り・回旋動作が加わると負荷に耐えられず、ひび(疲労骨折)が入ります。

早期(急性)で発見すれば骨癒合が期待できますが、見逃すと分離が完成してしまい、将来の腰痛リスクが高くなるため注意が必要です。

■原因・メカニズム

  • 反り返り動作の多い競技(野球・サッカー・バレー・体操など)

  • 片側へのひねり動作

  • 股関節が硬く、腰で動きを代償する

  • 成長期の骨の脆弱性

  • 急激な練習量増加

■好発年齢

  • 10〜16歳

■主な症状

  • 腰の局所的な痛み

  • 反ると痛い

  • スポーツ動作で悪化

  • お尻や太ももに放散する痛み(まれに)

■注意点

  • 疑わしい場合は早期にMRIやCTでの評価が必要

  • 早期なら保存療法で治癒するが、慢性化すると癒合しなくなる

  • 股関節周囲の柔軟性と体幹安定が非常に重要

これらはただの“使いすぎ”ではなく、急激な成長による筋腱の緊張・骨の負担増加が大きく関与します。

痛みが出ている時期は無理に練習を積むよりも、身体の成長に合わせたケアを行う方が、結果的に長期的な成長につながります。

 


2. クラムジー(不器用さ)による一時的なスランプ

成長期の特徴として、急に手足が長くなることで身体のバランス感覚が一時的に乱れる「クラムジー」の-状態がよく見られます。

●クラムジーで起こりやすいこと

  • 動きがぎこちなくなる

  • ボールコントロールが乱れる

  • 足がもつれる

  • タイミングがズレる

  • 以前はできていた技術が急にできなくなる

これは「下手になった」「やる気がない」と捉えるのは完全な誤解です。

急激に変化する体に神経系が追いついていないだけで、成長が止まるころには再び動きは安定してきます。

特にこの時期は、本人も「なぜ急にできなくなったのか」と悩みやすいため、周囲の大人の理解がとても重要です。

●指導者・保護者がすべきこと

  • 無理に技術練習を増やさず、基本動作をゆっくり確認させる

  • 怒ったり叱責するのではなく、身体の変化を説明し安心させる

  • 「今は慣れている途中。大丈夫」という声掛けをする

成長期の“ぎこちなさ”は、能力が伸びる前の通過点です。

 


3. パフォーマンスが高い子ほどケガしやすい理由

運動が得意な子は、スピード・ジャンプ力・打球速度・切り返しの鋭さなど、出力が非常に高い傾向があります。しかし、この高い出力は同時に以下のような負荷を体に与えます。

  • 強い衝撃を受け止める関節の負担

  • 切り返し時の靭帯へのストレス

  • 急減速を伴う筋肉の伸張負荷

  • 繰り返される微細損傷の蓄積

つまり、能力が高い=負荷が大きいという構図があるため、トップレベルのジュニアほどケガしやすくなるのです。

運動が上手な子はフォームが綺麗で動作のロスが少ないため、高い力を出せてしまいます。



しかし、その力を受け止めるブレーキ(制動力)が不足していると、関節・靭帯・筋肉の損傷につながります。

 


4. 技術だけで伸びた子は“壊れやすい”

近年はSNSやYouTubeなどで多彩なトレーニング方法や技術動画が溢れています。短期的に技術を引き出すメソッドも多いですが、身体の土台が弱いまま高い技術を要求すると、必ずどこかで無理が生じます。

  • 体幹が弱い

  • 柔軟性がない

  • 股関節や肩関節の動きが悪い

  • 筋力が足りない

  • 持久力が乏しい

この状態で技術だけが先に伸びると、動作はできても体が壊れるという最悪のパターンに陥ります。

本当に強い選手は、出力と制動力のバランスが整っており、土台となる身体づくりがしっかりしているのです。

 


5. 小学生までは“外遊び・多様な運動”が最強のトレーニング

この時期に必要なのは、専門的な技術よりも 神経系の発達を促す“多様な動作経験” です。

  • 走る

  • 跳ぶ

  • 登る

  • 投げる

  • ぶら下がる

  • 転がる

  • 追いかける

  • バランスを取る

これらの経験が、将来のスポーツパフォーマンスを大きく左右します。
多様な遊びが、結果的に「上手い子」「ケガをしない子」を作ります。

 


6. 中学生からは“基礎的なトレーニング”を始めるべき

骨格が安定し始めるこの時期は、筋力が伸びやすく、トレーニングの効果がしっかり現れるタイミングです。しかし、いきなり高度なトレーニングをする必要はありません。

まずは以下のような基本動作を正しく行えることが最優先です。

  • 正しいスクワット

  • ヒップヒンジ(デッドリフト動作の基礎)

  • 腕立て伏せによるコアのスタビリティ向上

  • 自重トレーニング

  • 正しい走り方・止まり方、曲がり方、姿勢

専門的すぎるフォームや重すぎる負荷は不要で、むしろ逆効果になります。

この時期は“丁寧に・正確に・基礎を積む”ことが最短で強くなる道です。

 


7. 当院のサポート:ジュニアにも安全なウエイトトレーニング指導

当院では、成長期の身体を理解したうえで、ジュニアアスリートに対しても 安全性を最優先にしたウエイトトレーニング指導 を行っています。

「ケガの心配なく、安全に体力を伸ばす」ことを目的とした指導のため、スポーツに全力で取り組みたい子どもたちに非常に好評です。


まとめ

成長期は、技術・体力・身体の変化が一度に訪れる、とても複雑で繊細な時期です。

  • 成長スパートによる痛み

  • クラムジーによる不器用さ

  • ハイパフォーマンスの子に起きる負担

  • 技術先行の危険性

  • 外遊びの重要性

  • 中学生からの基礎トレーニング

これらを正しく理解し、子どもたちの身体と心をサポートすることで、将来的に大きな成長につながります。

もし、痛み・違和感・動きの不調がある場合は、我慢して練習を続けるよりも、早めに専門家に相談した方が長期的には確実にプラスになります。

当院では、ケガの改善からトレーニング指導まで一貫してサポートしていますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。

 

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