なかなか治らない肩の痛みの原因と、痛みを自分で改善できる効果抜群の運動はコレ
肩の慢性的な痛みを抱えている人はとても多いですね。
洗濯物を干すときに痛い。
シートベルトを取ろうとすると痛い。
ボールを投げると痛い。
ベンチプレスをすると痛い。
慢性的な肩の痛みは一般の方や高齢者からアスリートに至るまで、さまざまな人たちを悩ませています。
肩の特性
肩はグルングルン回すことが出来るほど自由度の高い関節です。
解剖学的に言うと、骨で支えると言うより筋肉、靭帯や関節包などの軟部組織に支えられている関節です。
自由度が高い分、それだけ痛めてしまうリスクも高く、多くの痛みは肩の不安定性によるものです。
不安定な状態を放っておくと、肩関節は好ましくない状態を維持してしまい、それが痛みを惹起してしまいます。
この好ましくない状態を改善しなければ、注射やシップ、痛み止めやマッサージ、整体と言われる怪しい施術を受けても一時的には緩解してもまた、しばらくしたら痛みがぶり返してしまいます。
根本的に改善するには肩関節を好ましい状態にする必要があります。
肩の痛みを根本的に改善させるには
良く根本的に改善させる、と言いますが、では根本改善とはどういう事でしょうか?
当院では体を変える、と言う事を根本的な改善としています。
骨盤矯正や骨格矯正と言ったようなもではありません。
体を支える筋力を上げるのです。
腰なら体幹周りの筋力、膝なら膝に関連する筋力、肩こりなら肩こりを生む猫背にならないようにする筋力。
肩に関しても肩を支える筋力を上げる事が根本的な改善と考えています。
ましてや筋肉にその安定性を委ねている肩関節なので、筋力を上げる事は痛みを改善させるのに必須の必須であり、その効果はとても高いものになります。
ではどの筋肉をどのような方法でその筋力を上げれば良いのでしょうか?
肩関節に関する筋肉はいろいろあり、すべてが肩の動きに重要な役割を果たしています。
ですが今回は二つに絞っていきたいと思います。
それはその筋肉が特に重要だからです。
肩を守る筋肉四人衆
肩に関する筋肉の中で、ローテーターカフと言われる肩を直接的に動かし、守る筋肉があります。
ローテーターカフと言うのは総称で、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の四つの事を言います。
上腕骨を取り囲み肩をしっかりとガードしています。
この中でも今回は棘下筋、小円筋に絞ってお話したいと思います。
棘下筋、小円筋の働きと外旋と言う動作
棘下筋、小円筋の二つをなぜ取り上げたかと言うと、この二つはとても重要なある動作を担っているからです。
それは外旋と言う動作です。
ローテーターカフは大雑把に分けると腕を外から上げる動作(外転)を棘上筋、腕を内側に捻る動作(内旋)を肩甲下筋が担っています。
外旋だけは二つの筋肉がユニットとして担っています。
これは外旋と言う動作が強い力を必要とするため、また肩を動かす時にどうしても外旋と言う動作が必要なため、そして二つの筋肉を使ってでも完遂しなければならない動作であるため、と考えています。
外旋動作は手を下ろしている時はあまり行っていません。
肩より上に挙げる際に、外旋動作が必要になって来ます。
試しに片腕を小さく前にならえ、の状態から肘を横から上げてみてください。
肩を越えたあたりから上がらなくなるはずです。
無理に上げようとすると痛みを感じたり、肩甲骨を動かす代償動作を伴ってしまいます。
今、止まっている側の手のひらは下を向いていますね。
その手のひらを肘を中心にして前に向くようにしてみましょう。
これが外旋動作です。
これで腕を上げてみましょう。
頭の上まで上がりますね。
上がらないようでしたら、あなたの肩関節には何かしらの問題がある可能性が高いです。
日常生活では高いものを取る、洗濯物を干す、取り込む、などの動作で無意識に外旋動作を行っています。
これらの動作で痛みを感じるとしたら、外旋動作を行う棘下筋、小円筋が働かず、先ほどのテストで止まってしまった状態から無理やりに腕を上げた結果、関節に障害が起きてしまったことが考えられます。
一人で出来る外旋動作の筋力チェック
外旋動作の重要性を分かって頂いたところで、次は自分の外旋筋力のチェック方法です。
先ずは前にならえをします。
ここから肘の高さを変えずに肘を曲げます。
この時正面から見たら、腕の真上を手が通るように行います。
曲げた前腕が正面から見ると縦に平行になっているようにします。
肘が開いて、新しい学校のリーダーズのダンスのように前腕が斜めになってしまう人は外旋筋力が弱くなっています。
これくらいの事、と言えるような些細な動作ですが、筋力が弱っている人には結構きつい動作です。
肩を痛めているアスリートや五十肩の方は痛い側の力が入りにくくなっています。
是非ご自分でチェックしてみてください。
外旋動作の強化方法
筋力強化の方法はいろいろあるのですが、今回は筋力チェック法から派生したやり方をお話します。
先ずは筋力チェックで求めた理想的な形をキープします。
筋肉にはアイソメトリックと言う静的な収縮の負荷が掛かります。
二つ目は良くあるやり方で、両手首にゴムバンドを付けて引っ張りながら肘の曲げ伸ばしを行います。 注意点としては肘を下げないで行う事です。
次はボールを使った方法です。
同じ姿勢からボールを手で挟むように持ち、前腕が平行になるように肘を絞り、この動作を繰り返します。
最後に肘を絞った状態から、ボールを上に上げて行きます。
ボールは適度な大きさなら何でもいいのですが、一番のお勧めは風船です。
風船を割らないように一連の動作を行う事で、更に強い刺激が筋肉に伝わります。
各動作を10回。 正しいフォームを強く意識して行ってみてください。
アスリートのコンディショニングチェックやパフォーマンスアップにも
このチェック法とトレーニング方法はそのままアスリートにも応用できます。
慢性的な肩の痛みに悩まされている選手は、外旋筋力の弱さが原因ということも多くあります。
痛みや違和感を感じている選手は一度、このチェック法をやってもらい、陽性と感じたらトレーニングしてみてください。
肩のローテーターカフを強化する事は関節の中心化が促進され、負担の無いスピーディーな、且つ安定した力強い関節運動を可能にします。
もちろん、障害予防にも効果絶大です。
まとめ
今回は肩の痛みの原因として筋力低下、特に外旋筋力の低下についてそのチェック法とトレーニング方法をお伝えしました。
肩の痛みは自由度が高い、人体で最大の可動域を持つ関節なので、原因はいろいろと考えられます。
筋力低下が原因とはあまり考えることは無いかもしれませんが、慢性的な痛みや違和感を感じる方は先ほどのチェック法を用いて、ご自分の外旋筋力をチェックしてみてください。
少し時間はかかりますが、筋力をアップすれば痛みに煩わされる事無く、根本改善と言われるような状態になりますよ。
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