筋トレは体を硬くするのか?その2
筋トレは体を硬くするのか?
そんな疑問にお答えするその2になります。
前回はトレーニング直後のパンプアップに関してお話しました。
パンプアップの生理的な機序、実際に起こっている事が何となくお分かりいただけたかと思います。
今回はその後に来る筋肉痛についてお話したいと思います。
実際にトレーニング後の筋肉痛に襲われると体は硬く感じ、動作も痛みでつらくなってしまいます。
これは筋肉に何が起こっているからでしょうか?
それでは筋肉痛が起きるメカニズムについてお話します。
筋肉を破壊
筋トレの目的って何でしょう?
それは人それぞれですよね。
筋肉を付けてムキムキマッチョになりたい人。
ダイエットでカッコよく痩せたい人。
スポーツパフォーマンスを向上させたい人。
目的はさまざまですが、共通しているのは筋肉の発達です。
当たり前ですね💦
で、筋肉を発達させるためには筋肉をケガしない程度に痛めつけなければいけません。
よしよし、いい子いい子では強く大きな筋肉を手に入れることは不可能です。
トレーニングによって筋肉を痛めつけるのです。
この時、実際に筋繊維レベルでは筋肉は引きちぎられ、破壊されています。
筋トレは筋繊維の破壊、と言えるのです。
その後、筋肉は修復、回復します。
その回復過程で炎症が起こり痛みを引き起こすと言われています。
回復後はトレーニング前よりも少し発達した筋肉になっています。
これが超回復と言うものですね。
この超回復は何も筋肉に限ったものではありません。
手術の後、メスが入った部分は皮膚が盛り上がったりしますね。
人間の体は傷がついた後、それを修復するためにそれ以前よりも強く、強固になろうとします。
そんな特性をトレーニングによって筋肉に働きかけて発達させるのです。
筋肉の動き
トレーニングによって筋肉は動かされるのですが、その時、筋肉はどんなことになっているのでしょうか?
この時、基本的には関節を曲げるときに筋肉は縮み、関節が伸ばされるときは筋肉は伸ばされます。
筋肉を細かく見ていくと、筋繊維というもの行き当たります。
これを顕微鏡で見てみると、ミルフィーユのような縞模様が確認できます。
この縞模様を作っている重なりが、接している面積が筋肉が縮むと大きくなり、伸びると接している面積が少なくなります。
こんな縮む、伸びるを筋肉はトレーニング中に規則的に繰り返して発達、強化を促されます。
筋トレの効果を上げるには、筋肉をしっかりと動かして破壊、修復というサイクルを作り出さなければいけません。
動作で言えば、関節をしっかり曲げてしっかり伸ばす。
筋肉で言えばしっかり縮ませてしっかり伸ばす必要があります。
トレーニングの動作で言えば、理想的な動作を大きくしっかりと行う必要があります。
理想的な動作(フォーム)をしっかりと行う事で、筋肉は縮み、伸ばされ発達、強化されます。
筋肉痛の回復
筋肉痛はだいたい2~3日で回復します。
その間は痛みで体が動かしにくく、硬くなったような感じがします。
しかし、痛みが解消されれば元の可動域に自然と戻っています。
筋肉を発達させるには、縮む、伸ばすをしっかりと行うと先ほどお伝えしました。
それには正確なフォームが必須であり、正確フォームでトレーニングを行うにはある程度の柔軟性が必要になります。
したがって、正確なフォームでのトレーニング、またはそれに近づけようとするトレーニングはそれだけで柔軟性の強化にも繋がっているという事です。
確かに筋肉が付くと、背中に腕が回らなかったり、気を付けの姿勢で腕が少し浮いてしまったりします。
これは硬くなったというよりも筋肉が付いてそれが邪魔をしてその動作が困難になってしまったという事で、体自体が硬くなったというわけではありません。
そのスポーツ、競技によって必要な筋肉を強化すれば必要な動作の円滑さや硬さを損なう恐れはありません。
まとめ
二回にわたってお話してきましたが、筋トレによって体が硬くなり、そのスポーツのパフォーマンスが落ちるという事はありません。
しかし、やみくもに筋肉を発達させてはやはり、スポーツパフォーマンスの低下を招く因子になってしまう事があります。
その競技特性、自分の強化部分や体の癖、長所、短所を反映したトレーニングを行う事が必要になります。
トレーニングをスポーツパフォーマンスの向上に繋げるのは、とても難しい部分でもあります。
この冬、自分がこうなりたい、自分の強化部分をしっかりと意識して、良いトレーニングを行ってくださいね💪
ダイエット、ボディメイクだけではない、スポーツパフォーマンスに繋げるトレーニングを行いたい方はお気軽にご相談ください。
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