ピッチャーの肩の痛みを無くすためのコンディショニング方法
どうも、佐々木接骨院、院長の佐々木です。
新年初のブログになります。
どうぞ今年もお付き合いくださいませ^^
今日は当院の野球のピッチャーに対するコンディショニング方法をご紹介します。
野球のピッチャーと言えば、コンディショニングのターゲットはやはり肩中心になるのですが、肩を中心としたその周りを含めた調整をしてあげる事で、肩への負担が軽くなり、フォームが安定して投球もスムーズになります。
ピッチャーをやっていて投げる際に痛みがある、違和感がある、という方は最後にセルフケア方法もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください^^
投球動作に関連する大きな筋肉
肩はとても自由度の高い関節で、その安定性は靭帯や筋肉などに委ねられています。
肩を痛めた場合、先ずは肩に直接関連するこれらの組織の損傷を疑います。いわゆる、MRIなどで切れている、部分断裂、などと診断される部分です。
当院でもコンディショニングのターゲットとして、靭帯や筋肉(この場合はインナーマッスルと言われる小さな筋肉)を調整しますが、肩だけのケアをするだけではピッチャーのパフォーマンスを上げるには不十分です。
投球動作は肩を中心とした沢山の筋肉が働いて、その動作を完遂しています。
大きな力を発揮するにはやはり、大きな筋肉の出力が不可欠で、その筋肉の状態を良好にすることがパフォーマンス発揮を向上させる鍵になります。
投球動作は全身運動になるので、下半身の筋肉も勿論コンディショニングのターゲットに含まれるのですが、ここではイメージしやすい上半身に絞ったお話をします。
ここでは主な筋肉を三つ挙げましたので、順番に見ていきましょう。
広背筋
上半身最大の筋肉であり、姿勢維持筋としても働きますが、投球動作にも大きな影響があります。
先ずはテークバック(ボールを投げようと体の後方に引く)の時に強く収縮して、リリース時(ボールを話す瞬間)では腕が前方に強く振りだされるのを引き止めるために、遠心性の収縮を起こして上腕骨を支えます。
広背筋が硬くなってしまうと、広背筋症候群という障害を起こす可能性が高くなります。
この広背筋症候群とは、広背筋が硬くなってしまう事で投球時に肘が下がってしまい、その結果、肘や肩に痛みが出る事を言います。肘や肩の靭帯や筋肉の損傷を引き起こし、所謂、「壊れた」状態になってしまいます。
野球肩や野球肘などと言われ、整形外科ではMRIで診断されることが多いですが、その原因は広背筋にある事が多くあります。
もう一つは広背筋挫傷というもので、硬くなった広背筋が肩甲骨と摩擦を起こして損傷されるものです。
投球時に大きく動く肩甲骨に伴って広背筋もしなやかに動いて欲しいのですが、硬くなってしまう事で肩甲骨の動きについていけずに接している肩甲骨の下角という部分に摩擦を生じてしまいます。
特徴としては、広背筋症候群は肩の前面、広背筋挫傷は背中に痛みを感じます。
僧帽筋
首から肩、背中に連なる大きな筋肉でその繊維は上部、中部、下部に分けられます。
僧帽筋は肩甲骨を動かす作用があり、肩甲骨の大きく柔らかな動きは僧帽筋のコンディションが大きく関わってきます。
僧帽筋が硬くなると肩甲骨の動きが乏しくなり、十分なパフォーマンス発揮が望めません。
テークバックやフォロースルーが小さくなってしまい、球速や球の伸び、回転数に大きく影響します。
肩甲骨の動きを大きくして投球動作のパフォーマンスを上げるには、僧帽筋のコンディショニングの向上は不可欠になります。
胸筋
解剖学的には胸筋とはあまり言わないのですが、ここでは胸筋と名の付く二つの筋肉が大きく関係しますので胸筋と表記しました。
二つの筋肉とは大胸筋と小胸筋です。
テークバック時に十分に伸ばされ、その後の加速期、フォロースルーで強く収縮します。
大胸筋、小胸筋が硬くなってしまうと、テークバック時に胸が張れなくなってしまい、その後の加速期で充分な力発揮が出来なくなってしまいます。あと、肩の関節可動域を制限してしまい、肘などに強い負担を掛けてしまいます。
そして小胸筋の下には神経が走行しているため、ここの硬さを放置してしまうと手に痺れを感じてしまうようになります。
セルフコンディショニング
先ずはこれらの筋肉を十分にストレッチさせます。
ピッチングは先ほども話した通り全身運動なので、全身くまなくストレッチをするのが良いでしょう。
こんな動画を参考にしてみてください。
次は肩の関節を安定にするエクササイズを行います。
肩にじわっとダルさを感じるくらいまで行いましょう。
これを行えば肩を取り囲むインナーマッスルが強化され、怪我防止だけでなく球速アップも期待できます。
当院のコンディショニング法
当院ではこの大きな筋肉を含めて、その他に上腕、前腕、首、インナーマッスルの調整をして肩のコンディショニングをしています。
手技や治療器で硬くなった筋肉を探り、緩めてしなやかな状態にして可動域や筋力を回復させます。
もちろん、このコンディショニングは野球のピッチャーに限らず、テニスやバレーなどのオーバーヘッドモーションを行うスポーツや水泳などにも効果があります。肩こりにもとても有効なので、当院では肩こり患者さんにも同じようなアプローチを施しています。
まとめ
良く「肩は消耗品」と言いますよね。
僕は少しこの言葉に違和感を感じてしまうんです。確かに投げ過ぎることで肩は壊れてしまいますが、それはリカバリーが十分で無かったと言えるのではないかと思っています。
沢山投げた後はしっかりとリカバリー(回復)の期間を設けて十分に回復させる。回復しないうちに投げてしまうから壊れてしまうのではないかと思っています。決して消耗品ではなく、しっかりとケアをしてリカバリ―を行えばよい状態を長く保てると思います。
野球を楽しんでいるあなた。
長くプレー出来るように しっかりと肩のケアをしてコンディションを整えて、 楽しんでくださいね。
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